豊田工業大学

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グリーン電子素子・材料研究センター

センターの概要

2014年度発足
センター長:神谷 格

 

研究目的と社会的ニーズ

世界的な需要の高まりと埋蔵資源の枯渇などのため、資源とエネルギーの確保は厳しさを増しており、我が国を始め、先進国にはエネルギー消費の低減と利用効率の向上のための革新技術の開発が喫緊の課題となっている。特に、エネルギー変換機器や素子の効率向上、未利用エネルギーの活用、大量に使われるIT機器や照明機器などの電力消費の大幅低減などが不可欠である。これらの機器・素子・材料の多くでは、動作原理や損失要因が、それらの材料や素子のミクロおよびメソスケールでの構造によって決定されており、そうした構造を刷新すれば、電子物性、光学物性、熱的物性なども変わり、より優れた特性や機能を持つ材料や素子を実現できる可能性がある。本研究では、そうした状況を考慮し、材料・素子構造を精密に制御する技術を開発し、エネルギー変換機器や素子の効率向上とIT機器などの使用に伴う電力消費の大幅低減を実現する「グリーン電子素子・材料」技術の開発を行う。

研究内容

1.エネルギー関連素子・材料の性能向上のためのミクロ・メソ構造制御技術の確立

本研究で取組む熱電素子では、Siを基体にMnやAlを加えた合金相の構造を、原子スケールでミクロに制御する必要がある。また、ナノ構造中の量子準位を用いた光電材料では、10nmオーダのメソスケールで組成と形状の制御を必要とする。このように、所望の機能や性能の実現のために、ミクロおよびメソスケールでの構造制御技術の確立を図る。

材料特性・素子機能制御手段としてのミクロ・メソ構造制御

2.「先進エネルギー変換素子・材料の開発」と「界面・電極構造制御による素子の電力損失の低減」

①先進エネルギー変換素子・材料の開発

熱電素子は長い歴史を持つが、実用面ではBiTe系に限られている。本センターでは、SiMnAl系合金がBiTeに迫る特性を持つことを発見しており、特性の改良次第で本命となる可能性も持つ。本研究では、熱流の制御も含め、特性向上を目指す。また、ナノ細線やナノアイランド構造など量子構造の持つ特異な光物性を活かした光電変換素子の研究を進め、変換効率や検出効率の向上可能性を示す。

②界面・電極構造制御による素子の電力損失の低減

多くの素子では、電極部の抵抗が、電力損失を増大させ、信頼性を低下させる。そこで界面・電極構造を制御し、界面を通過する電子流による損失の低減を図る。特に、大電流を流すGaN系パワー素子への電極技術や電極形成が容易でないグラフェンに対する電極技術などの確立を図る。

グラフェンへの電極作製にあたっては、大面積のグラフェンの合成にも取り組んでおり、現在までにmmレベルの大きさを実現している。


ミリメーターサイズの単結晶グラフェン

具体的な取り組み内容

・高効率の熱電素子の開発

・HDDに置き換わる超低電力消費型磁気メモリの開発

・世界初となるナノカーボン材料である単層グラフェンへの電極作製

・窒化ガリウム系パワー素子を使った高耐圧高出力トランジスタの開発など

参加研究室

・量子界面物性研究室

・エネルギー材料研究室

・情報記録機能材料研究室

・表面科学研究室

・電子デバイス研究室

・半導体研究室

設備一覧

・X線光電子分光装置
X線光電子分光装置

・フローティング型アルゴンイオン銃

・全自動多目的X線回折装置
全自動多目的X線回折装置

・熱拡散率測定装置

・熱電物性測定装置

・AC/DC磁化率測定装置

・小型・高性能エキシマ―レーザ並びにフォトルミネッセンス(PL)マッピング装置

・半導体エッチング装置



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