豊田工業大学

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局所構造制御研究センター

局所構造制御研究センター

センターの概要

平成21年度:事業発足
センター長:神谷 格

研究の目的と社会的ニーズ

材料・素子の研究・開発においては、物質の選択、構造、大きさ、等により諸機能を設計・創出する。 しかし、材料・素子の微細化に伴い、従来は無視し得た、表面・界面、欠陥と云った「局所構造」の影響が避け難いものとなってきた。 一般にこうした「局所構造」は厄介ものと捉えられているが、半導体のドーピングに知られる様に、きちんと物性の理解と制御がなされれば、積極的に応用し、新たな機能創出が可能となる。
この観点から本センターでは1)表面・界面、2)構造欠陥、等「局所構造」の物性の理解と応用により、積極的に材料・素子の機能の制御・創出を行い、特に、環境・エネルギー・健康維持と云った社会的要請に寄与する高性能・新機能・新材料利用のスマート材料・素子への貢献を狙う。


研究内容

 

 

 

 上図にそのコンセプトを表す。 微小構造体を外部から励起し、内部にキャリアを生成させた場合、その緩和の際に、幾つかのプロセスが考えられる。 例えば、半導体であっても、その物質が何であるか、また大きさ(小さければ量子構造となる)はどの位か、と云ったパラメーターで、発光、光吸収、電荷発生、光触媒、等の機能に分かれる。 しかし、同じ物質・大きさであっても「局所構造」の制御によりその機能を決められる可能性がある。
従来、「局所構造」の制御は難しく、一般に応用に際してはこの問題は避けられるように素子設計がなされる傾向にあった。 しかし、構造の微細化に伴い「局所構造」の物性への影響は無視し得ないものとなり、正面からの取り組みが不可欠となってきている。 こうした中、近年、微細構造の吸着子置換による物性制御等が報告される様になったが、まだ黎明期であると共に、基礎的な理解は殆どなされていない。 当センターでは、こうした「局所構造」の材料・素子の機能・物性に与える影響の基礎的な理解に努めつつ応用への展開を目指す。

 

研究課題・テーマ

下記の様な材料・素子を題材に、「局所構造」の制御と物性・機能の創出に取り組んでいる。
(1)光機能材料・素子
・Si多結晶の粒界・不純物制御と電気特性
・半導体結晶成長のその場観察による欠陥形成機構解明
・半導体ヘテロエピタキシャル結晶成長のその場観察による歪緩和と電子物性
・半導体量子構造による光アップコンバージョン
・半導体蛍光体とその表面改質
・パッシベーションと表面準位
・ナノ粒子薄膜蛍光素子
(2)化学機能材料・素子
・光触媒
・ナノカーボン素子と化学修飾
・ナノ粒子薄膜センサー
主として電子物性の観点からのアプローチを用い、キャリアダイナミクスの理解と制御を狙う。


参加研究室

量子界面物性研究室

表面科学研究室

半導体研究室

情報記録機能材料研究室

量子機能材料分野研究室

 

 

 

主要研究装置

  

   ・透過電子顕微鏡
   ・顕微ラマン
   ・走査プローブ顕微鏡
   ・走査型電子顕微鏡
   ・C-V特性測定装置
   ・時間分解PL装置
   ・複合型量子構造作製装置
   ・in situ 局所構造評価装置
           等

 

 

透過型電子顕微鏡

 

顕微ラマン装置

 

in situ 局所構造計測装置

 

時間分解PL装置