豊田工業大学

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2020年度後期の学修・研究活動を始めるにあたっての学長メッセージ(2020.9.7)

2020.09.07

200907_pic 2020年度の後期が始まります。学部生・院生の皆さんには、学年毎のオンラインガイダンスに出席して頂いたところです。一方で、新型コロナウイルス感染症は未だ予断を許さない状況にあり、学部生・院生の皆さん全員が久方キャンパスにおいてこれまでのような学修活動ならびに研究活動を実施することは難しいと考えられます。誠に残念ではありますが、今学期も、授業に関しては遠隔からの受講をお願いすることと致しました。 

 本学の特徴のひとつに1年生の全寮制があります。1年生の皆さんは、本来、久方寮において8人でユニットを構成し、キッチンで一緒に料理を作って、居間で一緒に食事をし、共に勉強し合い、生活上の工夫も一緒に考える、という共同生活を送ります。寮生の皆さんは、このような活動を通して、社会で活躍する上で必要となる多くのことを学び合ってきました。また、上級生の皆さんには、1年生の生活面や学習面でのサポーター役にもなって頂いていて、本年度は、2年生の約半数の方々が、また3年生では約1/3の方々が入寮予定となっていました。久方寮は、本学の教育活動において重要な役割を担っているのです。 

 しかし、この寮の構造や寮生の皆さんの生活スタイルを考えると、キャンパスの中よりもむしろ寮の中の方が感染リスクは高くなると考えられます。そこで、本学では、本年度春の入寮を延期させて頂きました。ただし、その際には、感染症が比較的静まるものと期待されていた夏には、皆さんに寮に帰って来て頂けると計画しておりました。しかし、本年7月から8月には感染症に関して厳しい状況が再来し、私たちの目論みを実現することが難しくなりました。 

 寮に入って頂いておりませんと、実質的にはキャンパス内での活動が出来ません。学長としても、このことが本当に残念です。皆さんにとっては、尚のこと残念であると思います。学生の皆さんそれぞれには、担当の教員がアサインされています。また、学部1年生の皆さんには、寮ユニットのお仲間もおられます。後期には、これらの仕組みを前期以上に有効活用し、学生の皆さんが相互に交流できる場をより活性化したいと考えています。 

 それでも、通常のキャンパスライフとは比べようもありません。そこで、次年度には、学生の皆さん全員がキャンパス内で学修・研究活動を実施できるようにすることを最優先課題に据えて、全寮制は一旦休止とすることに致しました。寮は活用し続けますが、寮内での罹患防止対策が十分に施せる収容人数を精査して、その人数に限って入寮して頂く運営を検討しているところです。 

 本学は工学系の大学です。したがって、研究面では実験が重要であり、また特別な設備や装置の利用も必要です。そこで、正に研究が主たる活動内容となる学部4年以上の学年の皆さんには、8月中・下旬から、それぞれの所属研究室での研究活動を再開して頂くことに致しました。ただし、各研究室においては、担当教員のもとで、個別状況を十分に勘案して、厳格な感染症対策をそれぞれ設計して頂きました。研究室構成員の全ての方々には、その約束を厳格に守って頂くようお願い致します。その中で、久方キャンパス内での新しい生活様式を、より厳格に確立して頂きたいと思います。

皆さんからのZoom講義に関するアンケート結果を拝見しています。正に、不自由をお掛けしています。頂戴したご意見を考慮させて頂いて、後期の講義等においては、その実施方法や成績評価法、期末試験の実装方法等について、先生方に更なる工夫をして頂くようお願いしています。 

 当初予定していなかった遠隔講義が後期も続きますので、春の学期と同様に、受講環境整備費25,000円を10月中に支給させて頂くこととしました。一方で、これも春の学期と同様ですが、授業料ならびに教育充実・環境整備費につきましては、例年と同等の教育をこの1年間かけて完遂させるように最大限の工夫をしていること、ならびに、大学が保有する施設設備の拡充と管理については長い年月と多くの経費をかけて継続的に行っていることなどから、返還や減額は考えておりません。皆さんのご理解とご協力をお願い致します。

 新型コロナウイルス感染症の終息には、私たち一人ひとりが、新しい生活様式を守って、責任ある行動を取ることが重要です。皆さんにも、是非、そのようにお願い致します。

 久方のこのキャンパスにおいて、豊田工業大学の構成員の皆さん全員が、揃って学修と研究の活動に邁進できる状況を一刻も早く取り戻せるように、教職員一同、引き続き対応策の考案とその実装に努力してゆきます。

 学生の皆さんにも、不自由をお掛けしておりますが、そんな中でもしっかりと学修活動と研究活動を重ねて頂くようにお願い致します。感染症対策に関しても、それぞれの地域社会において責任ある行動を取って頂くよう、お願い致します。特に、既にキャンパス内で研究活動を始めている上級生の皆さんには、久方キャンパス内での新しい生活様式の確立と定着にも尽力してください。そして、1年生から3年生の皆さんが帰って来られる頃には、本キャンパス内に豊田工大流の優れた新しい生活様式が根付いているように、協力して頂けることを期待しています。

 皆さん、一緒に頑張りましょう。宜しくお願い致します。

豊田工業大学 学長 保 立 和 夫