豊田工業大学

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電磁システム

電磁界解析、モータ、インバータ、鉄損、磁性材料、マルチスケール、マルチフィジックス

電磁界融合学による電気自動車の高効率モータ駆動システム技術を開拓

研究概要

電気エネルギーおよびそれを制御するパワーエレクトロニクス技術の利用拡大が予想されている。現在国内エネルギーの42%が電気エネルギーで消費されており、10年後にはその8割がパワーエレクトロニクス技術を介して利用されると予想されている。更に、現在その23%が輸送部門では、これまでの内燃機関駆動からモータ駆動システムでの移動革命が進展している。

モータ駆動システムでは、自動車および船、飛行機において、電気モータだけではなく、電圧、周波数を任意に制御できるパワーエレクトロニクス技術を介する必要がある。そこでは、機上置き利用であるために、更なる高効率小型化への要求が高い。そこで本研究室では、モータおよびパワーエレクトロニクス回路で利用されている磁性材料の開発および磁気特性向上の研究に取り組んでいる。

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パワーエレクトロニクス励磁の高周波磁気の研究

GaNやSiCといった高耐圧・高速性能のスイッチング素子の開発が進んでいるが、その実用上のボトルネックと言われているのが、高周波大電力用の磁性材料である。当研究室では学内外の研究室と協力してその試作・磁気特性評価に取り組んでいる。

右図は1MHz励磁のための1μm厚鋼板の量産化を想定した圧延プロセスでの実現を目指して試作を行い、その高周波磁気特性を計測した。大電力利用なので、従来の複素透磁率の線形評価だけでは十分ではなく、非線形磁気特性が必要である。0.3TでのBH特性では1MHzまで保磁力の変化は見られず、1MHzまでは渦電流が抑制されていることが分かる。

低鉄損軟磁性材料によるモータコア損の低減

現在ほとんどのモータで使用されている珪素鋼板に代わって更なる低鉄損の磁性材料を用いたモータコアを試作し、モータシミュレータでコア損を計測した。磁気異方性の強いGO材(方向性電磁鋼板)を分割して接合させた異方性モータ、結晶をもたないアモルファス材のモータ、更なる低鉄損のナノ結晶モータを試作した。引きずり損での計測では、ステータコア損だけではなく、ロータ損、永久磁石損も共通に含まれているために、低減代は大きくはなかったが、低鉄損材でのコア損低下が確認された。別途比較した電磁界数値解析では、コア損計測値との一致も見られ、ステータコア損が計算値では20分の1程度まで減少していることが分かる。

GaNインバータ励磁におけるリンギング鉄損

GaNデバイスを用いたインバータにてモータ駆動した時のコア損特性を、従来のSi-IGBTインバータ励磁の特性と比較した。従来のSi-IGBTインバータ励磁では電圧の立上りが遅いために、モータの共振周波数でのリンギング現象は発生しないが、GaNインバータでは立ち上がりが早いために27 MHzでのリンギング現象が発現している。キャリア周波数を上げると、キャリア高調波鉄損は低減するが、パルス発生の頻度が上がりリンギング現象発現回数は増えるために、リンギング鉄損の増加が見られた。