学びの特色・体系図
3分野を融合した独自の学問体系
複雑化する課題に多面的に斬り込む先端ハイブリッド工学
地球温暖化や資源枯渇といった差し迫った問題の解決から、高品質・高効率で環境負荷の小さい製造・流通機構の構築、暮らしを彩る新たな製品・サービスの開発まで、現代社会の工学的課題は、単独の研究成果だけで解決できるものではなくなっています。本学では、こうした課題に応える研究活動や人材育成を目指し、従来の専門分化さ れた研究・教育とは異なり、機械システム・電子情報・物質工学の3分野を融合した「先端ハイブリッド工学」という独自の学問体系を構築。3分野のいずれかに属する研究室が、分野を越えたコラボレーションを推進しています。
学部・大学院教育体系
基礎を重視する工学部から、先端的専門分野へ
現代の科学技術は、その裾野を大きく広げ続けるとともに、進化のスピードも速まる一方です。こうした科学技術の現状を捉え、最先端を切り拓く人材を育てるために、学部と大学院の合計9年間にわたる教育・人材育成の課程を用意しています。学部4年間は基礎固めの期間と位置づけ、先端工学基礎学科のみの1学科体制を敷いています。入学当初は分野を限定せず、工学全体をじっくりと見渡した上で各自の専門分野を決定。4年次からは研究室に所属して先端工学基礎の総仕上げを行います。さらに先端分野を極めたい人には大学院進学を推奨。例年、工学部卒業生の半数以上が修士課程に進学し、より高度な創造性と研究能力ならびに論理的思考力などの汎用力の獲得に取り組んでいます。博士後期課程では人材育成のファイナルステージとして、世界を先導する技術者・研究者の養成に努めます。
工学部 先端工学基礎学科
工学の基礎力と応用力を養います。2年次前期までは工学3分野を横断的に学ぶとともに、技術者に必要な教養や語学力を養成。また、実験・実習を通してモノづくりのおもしろさに気づき、実践的な知識や技能を培います。2年次後期からは主専攻を決定し専門性を深めていきます。4年次からは研究室に所属し、教員や先輩の指導・助言を受けながら卒業研究に取り組みます。
大学院工学研究科 修士課程
企業などの研究開発の現場で役立つ深い専門性と研究能力を身につけます。3分野の中から専攻した分野を中心に科目履修するとともに、所属研究室の指導教員のもとで修士研究に取り組みます。高度教養科目や英語科目も必修で用意されるほか、海外の企業や研究機関で実習を行う海外インターンシップにも参加可能。豊田工業大学シカゴ校への協定留学制度も用意されています。
大学院工学研究科 博士後期課程
将来の発展が強く期待される領域において高度かつ独創的な研究活動を展開し、社会に貢献できる技術者・研究者の育成を目指します。情報援用工学専攻および極限材料専攻の2専攻を設置。学生ごとに個別履修プログラムを作成し、複数教員によるマンツーマン体制を基本としたきめ細かな指導を実践しています。また、入学金・授業料の全額と生活費を支給する奨学金制度も整えています。
3分野の紹介
機械システム分野
未来社会を持続発展させる機械システムを基礎・応用の両面から研究
流体力学・熱力学・材料力学・機械力学・加工などに関わるさまざまな現象の本質に迫り、新たな機械システムの創出を目指す研究分野です。そのシステムが環境に与える影響を考え、再生可能エネルギーの領域にも踏み込みます。各力学に基づく基礎的・学術的な側面と、設計・生産・制御といった応用的・技術的側面の両面から研究に取り組んでいます。また電子情報分野・物質工学分野とも密接な関係を築いており、学際的な研究も推進しています。
電子情報分野
情報化・省エネルギー社会に貢献する新技術を開拓
電子や光子を操るデバイスの研究から、情報システムやネットワーク、ロボットの制御まで、電子・情報・制御に関する最先端の領域にアプローチしています。人工知能による言語・画像処理、電気自動車用のモータやパワーデバイス、次世代太陽電池や超省電力メモリの開発などエネルギー問題に貢献する研究も盛んです。機械システム分野・物質工学分野との境界領域の開拓にも取り組んでいます。
物質工学分野
物質の本質に肉薄し新たな機能材料を創製する
情報やエネルギーを自在にやり取りできる現代社会。その基盤を支えているのがさまざまな機能物質です。物質工学分野では、物質をナノメートル寸法の原子・分子レベルから理解し、量子力学、物性工学、高分子材料学、ナノテクノロジーを駆使し、機械システム分野・電子情報分野との連携も深めながら、時代が求める新物質・新デバイスの創製と基礎的な学術基盤の確立を目指しています。
各分野の研究室一覧
成績評価
成果:GP(Grade Point)およびGPA(Grade Point Average)を用いた成績評価
履修登録した授業科目は、定期試験、レポート、宿題等の結果に基づいて成績評価を行い、合格と認められた科目には所定の単位が与えられます。また、多くの科目の成績はS・A・B・C・D(Dのみ不合格)の5限段階で評価され、区分ごとに定められたグレードポイント(GP)が与えられます。獲得したGPの合計を総登録単位数で除した値はGPA(Grade Point Average)といい、不合格科目のポイントも加味した厳格な基準となります。
学年ごとにヒストグラムを作成し、GPAの分布状況に関する資料を教員および学生に配付します。これにより、学生は自身の学習の達成度を確認し、以後の学修計画の見直しの参考とします。また、教員は担当授業科目の学生の理解度を把握し、以後の授業改善に役立てます。
本学ではこのGPおよびGPAを、給付奨学金の対象者選抜や、研究室配属などに用いています。
- 成績の評価区分
合否 |
評点 |
成績評価 |
グレードポイント(GP) |
合格 |
90点~100点 |
S |
4点 |
80点~90点未満 |
A |
3点 |
|
70点~80点未満 |
B |
2点 |
|
60点~70点未満 |
C |
1点 |
|
不合格 |
60点未満 |
D |
0点 |
- GPAの算出式
GPA= |
〔US×4〕+〔UA×3〕+〔UB×2〕+〔UC×1〕+〔UD×0〕 |
履修登録科目総単位数(US+UA+UB+UC+UD) |
US:成績評価Sの科目の単位数
UA:成績評価Aの科目の単位数
UB:成績評価Bの科目の単位数
UC:成績評価Cの科目の単位数
UD:成績評価Dの科目の単位数
▲GPAの対象外科目(健康・体力科目、英語海外特別演習 等)の詳細は、
当該年度の履修ガイドを参照のこと
取得できる学位
- 工学部:学士(工学)
- 大学院工学研究科修士課程:修士(工学)
- 大学院工学研究科博士後期課程:博士(工学)