豊田工大Release
エネルギー材料研究室 前田 創太さんが日本熱電学会学術講演会で「優秀ポスター賞」を受賞
2023.10.13
1500℃で結晶育成を行った電気炉の前で、指導教員の松波 雅治准教授(右)と前田さん
「第20回 日本熱電学会学術講演会(2023年9月25日~27日、北九州国際会議場)」において「優秀ポスター賞」を受賞
- 受賞者 豊田工業大学 大学院工学研究科 修士課程 先端工学専攻 1年 前田 創太さん(エネルギー材料研究室)
- 発表タイトル 「熱電デバイス応用のためのYbB6の組成制御」
- 受賞日 2023年9月27日
- 賞の概要
「優秀ポスター賞は、本学会の学術講演会で、熱電科学、工学と技術の発展に貢献し得る優秀なポスター論文を発表した本学会会員に授与する。」
(日本熱電学会 表彰規程 第3条3)
研究内容
熱電変換材料は廃熱から直接電力に変換することができ、環境にやさしい省エネルギー技術への応用が期待されています。高性能な熱電デバイスを実現するためには、構成材料の性能向上はもちろんですが、その他に耐久性や耐腐食性、および耐熱性などの様々な厳しい条件をクリアしなければなりません。そこで、本研究ではこれらの条件を満たすYbB6を候補材料として選択しました。新たに導入・整備した1500℃まで加熱できる電気炉を用いてYb/B組成比を制御したYbB6の高品質な単結晶試料を作製することに成功しました。また得られた試料は従来材料を凌駕する熱電性能を示すことがわかりました。今後は、YbB6のより精密な組成制御を行うことで高性能な熱電デバイスへの応用につなげていきたいと考えています。
得られた単結晶YbB6
受賞者のコメント
この度は名誉ある賞をいただき、大変光栄に思います。私は今回の熱電学会が初めての学会発表でしたので不安もありましたが、発表内容に多くの研究者の方々に興味をもって頂いたと同時に高い評価を頂けたことを嬉しく思います。これも指導教員の松波先生、竹内先生や研究室の多くの方々のおかげと実感しております。今後とも皆さまの期待に添えますよう、YbB6の実用的なデバイス作製に向けて一層研究に邁進して参ります。