研究インテグリティの確保について
研究インテグリティの確保(研究の国際化・オープン化に伴う新たなリスクの対応)について
近年、研究活動の国際化、オープン化に伴う新たなリスクにより、開放性、透明性といった研究環境の基盤となる価値が損なわれる懸念や研究者が意図せず利益相反・責務相反に陥る危険性が指摘されています。その対策の1つとして、研究者及び大学・研究機関等における研究の健全性・公正性(研究インテグリティ)の自律的な確保が求められています。
これを受けて、豊田工業大学では、研究インテグリティの確保に向けた体制を整備し、新たなリスクへの対応に取り組んでいます。
1. 「研究インテグリティの確保」とは
「インテグリティ」とは「健全性・公正性」のことであり、「研究インテグリティの確保」の本来の意味は「研究活動における健全性や公正性の確保」です。研究活動における不正行為(捏造・改ざん・盗用・不適切なオーサーシップなど)の防止、利益・責務相反についての適切な対応、安全保障貿易管理等の法令順守などをすべて含む概念ですが、近年新たに「研究インテグリティの確保」という表現で対応が求められているのは、内閣府「統合イノベーション戦略推進会議(第9回)」において決定された「研究活動の国際化・オープン化に伴うリスクに対する研究インテグリティの確保に係る対応方針」に基づくものです。
国際共同研究等の国際的研究交流・連携活動が活発化するに伴って、開放性、透明性といった研究環境の基盤となる価値が損なわれる懸念や、研究者が意図せずに利益・責務相反に陥る危険性が指摘されており、これを回避するための自律的な対応が研究者や大学・研究機関に求められています。
(文部科学省 研究インテグリティHPより)
2. 研究インテグリティの確保に「留意すべき」ケース
- 外国の企業・機関・大学等との共同研究、研究交流等
- 外国の企業・機関・大学等からの研究資金、研究施設・設備・機器等の物品の提供
- 外国の企業・機関・大学等からの人材の受け入れ
- 外国の企業・機関・大学等からの補助金や助成金の受け入れ
- 外国の企業・機関・大学等からの報酬の受け取り(奨励金、兼務の給与、賞金、贈答品、寄付金、出張費、講演料、執筆料等を含む)
- 外国の企業・機関・大学等への所属、兼務(顧問、アドバイザー、雇用契約のない客員教授や名誉教授等、外国人登用プログラムへの参加も含む)
- 外国の企業・機関・大学等との契約や覚書(Memorandum of Understanding)の締結
- 特定の外国への1カ月を超えるような長期の出張や1年間に5回を超えるような高頻度の出張
- その他、外国の企業・機関・大学等から受けている上記以外の各種支援および関わり
上記のような活動を一律に禁止するものではありませんが、このような活動については大学に届け出たうえで、研究者自身がトラブルに巻き込まれないよう配慮しながら研究活動を行う必要があります。
3. 本学における研究インテグリティ確保のための体制
研究インテグリティ確保に関する学内の責任体制と権限を明確化するとともに、運営・管理を適正に行うための規定・体制を整備しています。
- 「研究インテグリティの確保に関する規定(規程 第184号)」(学内者専用ページ)
- 研究インテグリティ確保のための体制図およびフロー

4. 研究者の皆様にお願いしたいこと
(1) 外国の機関・大学等との共同研究や交流、連携を行う場合においては、学内諸規定等に従って、適切な報告・申告等を行ってください。
※ 主な規定 (学内者専用ページ)
・ 研究者倫理規定 (規程 第103号)
・ 安全保障輸出管理規定 (規定 第151号)
・ 発明等取扱規則 (規程 第21号)
・ 研究活動の不正行為及び研究費の不正使用への対応に関する規定 (規程 第128号)
・ 委託研究規則 (規程 第22号)
・ 共同研究規則(規程 第39 号)
・ クロス・アポイントメント制度に関する規定 (規程 第145号)
(2) 外国の機関・大学等との共同研究や交流、連携について、「府省共通研究開発管理システム(e-Rad)」や「研究者情報システム(TTI-RIS)」にて適切に情報を開示し、透明性の確保に努めてください。
【e-Radに登録し適宜更新してください】
・ e-Rad外で受給している研究費
・ 兼業や、外国人登用プログラムへの参加、雇用契約のない名誉教授等を含む現在のすべての所属機関・役職
【TTI-RISに登録し適宜更新してください】
・ 経歴
(3) 情報収集にご協力ください。
(4) 相談窓口へご相談ください。
・ 外国の企業・機関・大学等との新たな連携等※の予定があるとき
・ 外国の企業・機関・大学等との連携等※の状況に変更が生じたとき
・ その他研究インテグリティに関するリスクが懸念されるとき
※ 「連携等」とは「2. 研究インテグリティの確保に留意すべきケース」に記載しているもの
【相談窓口】
研究支援部 研究協力グループ
電話:052-809-1723(受付:平日9時~17時)
E-mail:research★toyota-ti.ac.jp (★を@に変更してください)
5. 研究インテグリティに関する関連情報
- 研究インテグリティ・研究セキュリティ(文部科学省)(※ 学外サイト)
- 研究インテグリティ(内閣府)(※ 学外サイト)
