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JABEEの概要と認定メリット

JABEEの概要

JABEEは、日本技術者教育認定機構(Japan Accreditation Board for Engineering Education)の頭文字をとったもので、通称「ジャビ-」といわれています。

JABEEは、高等教育機関における技術者教育プログラムの認定を行うため、平成11年11月に設立された非政府団体で、わが国を代表する技術者教育認定団体として、技術系学協会と密接に連携しながら、技術者教育プログラムの審査・認定を行っています。

その目的は、「大学の技術者教育プログラムを統一的基準に基づいて審査・認定し、教育の質を高めることを通じて、我が国の技術者教育の国際的な同等性を確保すること、および技術者の標準的な基礎教育と位置付け、国際的に通用する技術者育成の基盤を担う」ことです。

JABEEの認定を受けた教育プログラム修了者は、質の高い技術者教育を修了したことが客観的に証明されたことになります。

※JABEEの詳細はこちら →JABEEのホームページ (http://www.jabee.org)


JABEE認定のメリット

1.  欧米主要国の認定プログラム修了者と同等と評価され、グローバルに通用することになります。
  • JABEEは、技術者教育の質的同等性を国境を越えて相互に承認し合うワシントン協定に、非英語圏の国のとして唯一加盟(2005年6月加盟)をしています。
  • ワシントン協定には、2010年4月現在で、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アイルランド、香港、南アフリカ、日本、シンガポール、韓国、台湾、マレーシアの13カ国が加盟しています。
  • JABEE認定プログラムの修了者は、加盟国の同一分野のプログラム修了者と同じ技術者教育を受けた者として認められ、その国のプログラム修了者と同様な専門技術者の免許交付や登録上の特典を得られることになります。
2.  JABEEプログラム修了者は、技術者に必要な基礎教育が修了したものと見なされます。 その結果、国家資格である「技術士」の第一次試験が免除されます。
  • 「技術士」は、「技術士法」に基づいて行われる国家試験に合格し、登録した人だけに与えられる称号です。国はこの称号を与えることにより、その人が科学技術に関する高度な応用能力を備えていることを認定することになります。 「技術士」は、高い職業倫理を備え、十分な知識を有し、自律して技術業務を遂行できる能力を持つ科学技術のコンサルタントです。 最近ではメーカーのエンジニアにも必要な資格となりつつあります。
  • 「技術士」になるには2回の国家試験(年1回実施)に合格する必要があります。 第一次試験に合格すると「修習技術者」となり、さらに実務経験を積み(条件に応じて4~10年)、必要な知識を身につけて第二次試験に合格すれば、「技術士」となることができます。 この中で、JABEE認定を受けた教育プログラムの卒業者は、第一次試験を受けることなしで自動的に「修習技術者」になることができます。
3.  質の高い技術基礎教育を受けたことが客観的に証明され、就職活動でも高い評価が期待されます。
  • "JABEE認定を受けた大学(教育プログラム)出身者"として企業に評価され、就職活動におけるアピールポイントになります。

JABEEの認定基準

大学における教育プログラムが JABEEの認定を受けるためには、その教育プログラムがJABEEの認定要件を満たしているものでなければなりません。 この認定要件には6項目の認定基準がありますが、履修する学生が特に意識して知っておかなければならないのは、学習・教育目標に関する基準です。 この基準には2種類があり、一つは専門分野に関わらない共通的なものと、もう一つは、専門分野に適用されるものです。以下に JABEEの学習・教育目標を示します。


JABEE学習・教育目標

JABEEでは、自立した技術者に必要な知識・能力として、次のa.~h.を示しています。

  1. 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養
  2. 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者が社会に対して負っている責任に関する理解(技術者倫理)
  3. 数学、自然科学および情報技術に関する知識とそれらを応用できる能力
  4. 該当する分野の専門技術に関する知識とそれらを問題解決に応用できる能力
  5. 種々の科学、技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力
  6. 日本語による論理的な記述力、口頭発表力、討議等のコミュニケーンョン能力および国際的に通用するコミュニケーション基礎能力
  7. 自主的、継続的に学習できる能力
  8. 与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力

分野別要件…工学(融合複合・新領域)関連分野

上記の項目d.は、専門の分野別要件として別に定められるもので、本学科では「工学(融合複合・新領域)関連分野」で認定審査の申請を行うことにしています。 この分野における修得すべき知識・能力の基準として以下が定められています。

1. 基礎工学の知識・能力
  基礎工学の内容は
  1. 設計・システム系科目群
  2. 情報・論理系科目群
  3. 材料・バイオ系科目群
  4. 力学系科目群
  5. 社会技術系科目群
  の5群からなり、各群から少なくとも1科目、合計最低6科目の知識と能力
2. 専門工学の知識・能力
  1. 専門工学(工学(融合複合・新領域)における専門工学の内容は申請大学が規定するものとする)の知識と能力
  2. いくつかの工学の基礎的な知識・技術を駆使して実験を計画・遂行し、データを正確に解析し、工学的に考察し、かつ説明・説得する能力
  3. 工学の基礎的な知識・技術を統合し、創造性を発揮して課題を探求し、組み立て、解決する能力
  4. (工学)技術者が経験する実務上の問題点と課題を理解し、適切に対応する基礎的な能力