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理論物理学

弦理論、場の理論、対称性の自発的破れ

時空構造・物質構造・相互作用の根源の解明

Large-N極限における対称性の自発的破れ

我々の宇宙のすべてを記述する統一理論の最有力候補が弦理論である。弦理論は理論の無矛盾性から非常に高い対称性を持つが、それがどのように破れて現在の素粒子の標準模型、あるいは相対性理論の対称性が実現しているのかを解明する。特に弦理論の非摂動的定式化を与える行列模型のlarge-N極限のダイナミクスにより、超弦理論の対称性が自発的に破れる可能性を追究する。実際、簡単な模型において超対称性の自発的破れを起こす機構を見出した。この自由度を同定し、他の対称性の自発的破れについてもその機構を解明する。

行列模型が記述する時空構造

先行研究において、弦理論の非摂動的定式化の候補である行列模型において、前項の対称性の自発的破れによって4次元時空が創発する解析を行った。行列模型における時空構造の創発機構の解明は量子重力の完成に本質的である。量子重力の特徴的な寄与にwormholeがある。近年その重要性が指摘されている。そこで低次元の模型でwormholeの寄与を取り入れた量子重力理論の非摂動的定式化を与え、実際にparameterがどのように定まるかなどの解析を行い、自然界のparameterの決定機構を解明する。

高次摂動級数と非摂動効果の関係

近年高次摂動級数と非摂動効果を関係付けるresurgenceのアイディアが注目されており、実際先行研究において超弦理論の非摂動的定式化を与える超対称行列模型にresurgenceを適用し、前項で述べた超対称性の自発的破れを起こす非摂動効果の情報が得られることを明らかにした。超弦理論にresurgenceを適用した例はまだ少ないため、他の多点関数にもresurgenceを適用する。また前項のwormholeが入った量子重力理論におけるresurgence構造を明らかにする。

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