スピントロニクス
スピントロニクス、磁性多層薄膜、磁性細線、磁気記録、磁気熱電効果
スピントロニクスによる新機能材料、新機能デバイスの創成
研究背景
我々の研究室では、電子の持つ“スピン”の自由度に着目して、新しい物理現象の解明、新しい機能性材料の創出、新しい機能性デバイスの開発を目指している。これらの研究は、従来のエレクトロニクスに、スピン自由度を積極的に取り入れた研究になることから、“スピントロニクス”と呼ばれている。スピン自由度を積極的に利用した省消費電力・高密度・高速動作・高感度が期待されるスピントロニックデバイスは、情報社会の急速な発展に伴い、次世代型エレクトロニックデバイスとして、近年非常に期待されている。当研究室では、磁性多層薄膜、磁性細線、3次元構造等を舞台とし、電気、スピン、熱、光、高周波、MEMS、数値計算、機械学習など関連する様々な最先端技術を駆使し、材料開発及びデバイス開発の研究に精力的に取り組んでいる。
高感度、高機能熱流センサー
熱流センサーは、熱マネージメント社会における要素技術として期待されている。熱流センサーは温度センサーとは異なり、熱流を可視化することが可能なセンサーである。発熱前の異常な熱の流れ込みや、プラント内の加熱プロセスにおける熱流入量の最適化が可能になるとされる。熱流センサーのさらなる高感度化を目指して、我々は従来とは異なる、熱伝導率に注目して研究を進めている。熱伝導率の評価は非常に難しく、100 nm以下の金属薄膜における評価法は存在しないが、我々は異常ネルンスト効果を使って、 1 nmの極薄膜での計測法の確立に成功した。またこの技術を基に、低い熱伝導率を有する材料に注目して研究を進め、GdCo合金において世界最高感度を実現した。
機械学習を利用した磁気パラメータの推定
磁気パラメータは磁石材料の特徴を知るうえで重要な値であり、材料開発研究における指標を与える。しかし、次世代磁気記憶デバイスなどにおいて重要とされる磁気パラメータの中には、評価手段が確立されていないものや、精度よく評価できないものがある。我々は機械学習を用い、強磁性体薄膜の磁区画像から評価が難しい複数の磁気パラメータを同時に取得できることを実証した。
産学連携について
- 共同研究のご提案「スピントロニクス研究室」
- 本学の産学連携制度