豊田工業大学

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レーザ科学

超高速レーザ、量子エレクトロニクス、ファイバレーザ

究極の光をつくる、つかう

極短パルス光の発生と応用

高強度の光を媒質中に集光すると、非線形効果による屈折率の増大とプラズマ生成による屈折率の減少が釣り合い、光が集光された状態で長い距離を伝搬します。これはフィラメンテーションと呼ばれている現象です。このフィラメンテーション法を用いることで、世界で最も短い7フェムト秒の中赤外光パルスの発生に成功しています。これは、光電場が一回しか振動しないような、極限的に短いパルスを容易に発生できる画期的な手法であり、超高速光科学の分野で注目されている技術です。[IEEE J. Sel. Top. Quantum Electron. 21 8700612 (2015)][Opt. Express 28 36527 (2020)]など

また、この中赤外光パルスを利用して、高速な赤外スペクトル計測、フェムト秒ポンプ・プローブ分光やハイパースペクトラルイメージング分光装置の開発を進め[J. Opt. 17 094004 (2015)][Nat. Commun. 14 3929 (2023)]など、将来、環境科学や生命科学、医療などへの応用することを目指しています。

光電場波形計測

光が波の性質を持つことは、高等学校の物理で学ぶような基本的なことです。ところが、その光の波を直接計測することは、現在の最先端の技術を用いても困難なことなのです。光の波の周期が、数フェムト秒(10-15秒)と超高速であるためです。本研究室の主宰者は、そのような光の波を計測する新しい手法を開発しています[Nat. Commun. 4 2820 (2013)][Optica 10 302 (2023)]など。高強度場物理の研究や超高速な光スイッチ、新規放射施設の開発において、有用な手法と考えられています。現在では、本手法が様々な波長領域で利用できるように、技術開発を進めています。

高出力赤外レーザの開発

1.3-2.1 μmの波長帯域におけるフェムト秒パルスレーザーは、生体試料の深部観測や半導体の特殊微細加工、広帯域なコヒーレント中赤外光発生などの応用が期待されていますが、開発途上のレーザーです。本研究室では、このような波長帯のフェムト秒パルスレーザーの開発をファイバーラボ株式会社などの企業と協力して進めています。これまで、1.3 μmや1.8 μm、2 μmのファイバーレーザーを開発しました。2 μm帯のレーザーとしては、265 fs、1 mJ程度の光パルスを発生する高出力レーザ装置を開発し、広帯域コヒーレント中赤外光発生も実現しました[Opt. Express 30 7332 (2022)]。

また、1.3 μmや1.8 μmのファイバーレーザーを開発し、生理学研究所と協力して、生きたマウスの脳内の神経細胞を観測することに成功しました[Opt. Express 31 16127 (2023)][Biomed. Opt. Express 14 326 (2023)]。これらのレーザーの製品化を進めることで、脳科学の進展に貢献できると考えています。

産学連携について