豊田工業大学

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レーザ科学

超高速レーザ、量子エレクトロニクス、ファイバレーザ

究極の光をつくる、つかう

極短パルス光の発生と応用

高強度の光を媒質中に集光すると、非線形光学効果によって、光が集光された状態で長い距離を伝搬します。これはフィラメンテーションと呼ばれている現象です。 この現象をうまく使うことで、世界で最も短い7フェムト秒の中赤外光パルスの発生に成功しています[IEEE J. Sel. Top. Quantum Electron. 21 8700612 (2015)など]。 また、この7フェムト秒中赤外光パルスを利用して、高度な赤外分光装置の開発を進め[J. Opt. 17 094004 (2015)など]、将来、環境科学や生命科学、医療などへの応用することを目指しています。

光電場波形計測

光の波の周期が、数フェムト秒(10−15秒)と超高速であるため、光の波を直接計測することは、現在の最先端の技術を用いても困難なことです。本研究室の主宰者は、そのような光の波を計測する新しい手法を開発しました[Nat. Commun. 4 2820 (2013)など]。この手法は、従来のアト秒パルスを使った光電場の計測手法と比較して、はるかに簡便で画期的な手法です。高強度場物理の研究や超高速な光スイッチの開発において、有用な手法と考えられています。現在では、本手法が様々な波長領域で利用できるように、技術開発を進めています。

高出力赤外レーザの開発

高いコヒーレンスを持った広帯域、高強度の中赤外(3–20μm)光源は、基礎物理から環境科学、医学、生命科学に渡る広い範囲への応用があります。そのようなコヒーレント中赤外光発生において、2μm帯で発振するレーザからの波長変換が非常に有効であることがわかっています。本研究室では、2μm帯で動作する超高速固体レーザ装置を開発しました[Opt. Express 26 29460 (2018)]。実際に、このレーザを使って、コヒーレント中赤外光発生も実現しました[Opt. Express 27 24499 (2019)など]。現在、ファイバーラボ株式会社と協力して、新規2μmレーザの製品化を進めています。

光トラップ

レーザを微小物質に集光することで、物質に輻射力を誘起し、その物質をトラップし操作することができます。このような光トラップの実験は、物質に対して透明(非共鳴)な光を利用するのが一般的ですが、これまで工藤講師らは、物質内の電子などが共鳴的に揺れる条件下における光トラップの研究を進めてきました[Phys. Rev. Lett. 109, 087402 (2012),Opt. Express 25, 4655 (2017)]。他にも微粒子の特異な集団現象の観察[Nano Lett. 16, 3058 (2016), Nano Lett. 18, 5846 (2018), etc.]にも成功しています。現在、レーザ科学研究室の最先端のレーザ技術を活かした次世代の光トラップに挑戦しています。

産学連携について