豊田工業大学 研究センタースマートビークル研究センター
2010年設立 センター長:渡邉保真
熱流動工学研究室
教授 山口 浩樹
研究テーマ
- マイクロ熱流動場に対する実在表面の境界条件の同定
- マイクロ流路における気体熱流動場の可視化計測手法の開発
- 熱駆動流の解析とマイクロデバイスへの応用
主な研究内容
①マイクロ熱流動場に対する実在表面の境界条件の同定
燃料電池をはじめとして微細流路の活用が進んでいますが、このように熱流動場のスケールが小さくなると、熱流体は壁面で固体表面の温度や速度と一致せず、境界条件にズレが顕在化し、解析において考慮する必要が生じます。しかし、そのズレの大きさは流体分子と固体表面の相互作用に依存するため、いまだに一般的な特性は判明していません。
そこで、熱輸送や流動の特徴を利用しながら、この境界条件のズレと固体表面の特徴の関係性を解明することを目指し、熱と流れに関する計測の両方を実施しています。この関係性の解明により、解析のさらなる高精度化が期待されます。

マイクロ熱流動場に対する境界条件の計測
②マイクロ流路における気体熱流動場の可視化計測手法の開発
マイクロ流路内における気体の熱流動場では、音速に匹敵する熱速度を持つ非常に微小な分子の運動を捉えなければならないことから、適用可能な計測手法が限定されます。そこで、レーザー誘起蛍光法(LIF)により局所的に気体分子を励起・発光させ、その流れへの影響を抽出することによって流速計測を実現する分子タギング速度計測法(MTV)に着目しています。
このMTVの微小空間への適用を目指し、計測法の改良を行っています。この改良の実現により、顕微鏡下のような微小空間での熱流動場を視覚的に捉えることが可能になります。

マイクロ流路における気体熱流動場の可視化計測
③熱駆動流の解析とマイクロデバイスへの応用
微小空間や真空環境では温度勾配によって低温側から高温側へ、熱遷移流と呼ばれる流れが誘起されます。可動部がなく温度分布のみにより誘起できることから、宇宙機などへの応用が期待されるポンプや環境計測などのマイクロデバイスなどの実現も検討されています。そこで、この特異な熱流動現象に着目し、流れが誘起される機構の解明や特性の調査を行うとともに、応用技術への展開を行っています。

熱駆動流の解析と応用
